RubyKaigi 2024: 熱狂と技術の融合

タイトルは AI に考えてもらいました。

 

2024年の5月15日〜17日に沖縄県那覇市で行われた、RubyKaigi 2024 に参加してきた。

rubykaigi.org

2022年の三重、2023年の松本に引き続き3回目の RubyKaigi。行くたびにとんでもなく"アツい"イベントだなあと思うのだけど、今年もまたとんでもない熱量を感じて帰ってきた。

今年も企業からの派遣という名目で、会社に費用を負担してもらい、仕事として沖縄に赴いた。正直な話、最近 Ruby を全然書いていないので自分が行ってもいいのだろうかと内心思っていたが、最近会社としても個人としても技術広報に力を入れ始めていたので、自分としては今回はその文脈で立ち回ろうかなあなんてことをぼんやり思っていた。

会社としての参加レポは会社の技術ブログに書いたので、ここでは個人的な感想をつらつらと残しておこうと思う。

blog.giftee.dev

 

RubyKaigi は地方で開催されるということもあって前乗りする人が結構な数いる。前乗りと言っても前日とかではなく、なんなら土曜日ぐらいから沖縄にいる人が観測され過ぎて、もう RubyKaigi 始まってるんじゃないかと思うぐらいだった。

自分もしっかり前日に前乗りし、普段出張などない身分なので会社のお金で飛行機に乗る感覚を噛み締めていた。那覇に着いたら雨がすごく、「これ明日以降、天気大丈夫なんだろうか」と不安になったが、結果的に Rubyist パワーで会期中は晴れるという奇跡。なお、Kaigi 直後に沖縄は梅雨入りした模様。

 

今回の宿はホテルではなく Airbnb で一軒家借り上げでの宿泊。現地参加のエンジニア10人がみんなで仲良くひとつ屋根の下。修学旅行感がすごかった。ちなみに1階にリビング、2階が寝室という構成で、夜の飲み会が終わった後リビングでダラダラと話ができるというのが良かった。逆に寝るタイミングを逃し夜をふかしすぎて寝不足になるというデメリットもあった。ちなみに部屋割りは先輩後輩関係なく仁義なきブーサーで決めた。

リビングでダラダラする図

 

 

RubyKaigi は国際カンファレンスなので世界中からいろんな人が集まる。アフリカの先っぽで Ruby 書いてる人がいるってこと、すごい。

 

今年はネックストラップの色で、自身の撮影OK・NGを表明できるようになっていて、ネットに写真をアップされたりしたくない人への配慮がなされていた。とても良い仕組みですね。ブログを書く側としても大変助かる仕様だった。毎年運営がアップデートされ続けててすごい。

ネックストラップ

自社ブース

画像

沖縄式じゃんけんことブーサー

今年は比較的長い時間スポンサーブースに立ってたくさんの Rubyist とお話をさせてもらった。来訪者から「ギフティさん知ってます〜」という言葉をいただく機会が多く、以前に比べて認知度が体感上がってきたかなあ、と嬉しい限りだった。毎年スポンサーブースを出しているので、Ruby 界隈では徐々に認知が獲得できてきたように思う。

その一方で、こういう反応をされるうちはまだまだダメだなあとも思った。「知ってます」という言葉を使われるということは、つまり世間的にまだ認知度が低い企業だと思われているということの裏返し。例えば、メルカリの人に対してわざわざ「メルカリ知ってます」とは言わない。それは知っていて当然だから。うちはまだ知ってて当然の水準にはいけてないということ。まあこれは極端な例だし、そのような驕りはなかったのである意味当然と言えば当然なんだけど。

あとは闇雲に認知を取りたいわけでもないというか、ギフトというサービスもそうなのだけど、ウチがウチがと前面に押し出すのではなく、意味のある認知というか、適度な"間"的なものがないと、よくないなと。

スポンサーしてブースを出しているということは少なからず認知度向上や採用目的もあるわけなんだけど、RubuKaigi はアカデミックかつギークなイベントだと思うので、企業としてはそのコミュニティへの還元が一番の目的なわけで、その辺とのバランスが難しいなあ。

 

話は変わるけど、スポンサーの顔ぶれって毎年そこまで大きく変わらないし、わざわざお金出して RubyKaigi に来る人もなんだかんだ毎年同じなんじゃないかと勝手に思っていたので、回数重ねるごとにブース出展の広報効果って薄れてくんじゃとふと思った。

しかし、ANDPAD さんのアンケート結果によると、(ブースを回っていた人のうち)40%の人が初参加だったとのこと。初参加が40%もいるならやる意味が結構あるのかな。

tech.andpad.co.jp

 

そして、今年もほぼ全ブース回ったけど、どこも趣向が凝らされていて楽しかった。

特にハイドレーションスポンサーの SmartBank さんはインパクト大。ドリンクご馳走様でした。

SmartBank さん

酒豪伝説にもお世話になりました。これのおかげでハブ酒と戦えた。

 

セッション

ぺんさん による「Writing Weird Code」。オープニングキーノートでいきなり魔法を魅せられてるんですが...。RubyKaigi 2022 の TRICK で金魚を見て感動すら覚えたのだけど、今年は Self TRICK とは。ゆらゆら動くクラゲを見ながら、この技術で殴られる感じが RubyKaigi が始まったなあと。オープニングに何を話すのかって、選ぶ側も話す側もそれなりに悩むと思うんだけど、TRICKRuby 自体の凄さというより、Ruby 使ってこんな面白いことができるんだぞという、プログラミングの楽しさを思い出させてくれるという意味ですごいいい入りだったなと個人的には思った。

 

あと kaneko さんの「The grand strategy of Ruby Parser」。パーサーの話。相変わらずの早口で日本語なのに話についていくのがむずいw 正直パーサーの技術的な話はわからないのだけど、Ruby としてのパーサーの現在地と未来についての話は面白かった。CRuby のパーサジェネレータは従来の Bison から Lrama にリプレイスされた。そして長期的にはユニバーサルパーサーを提供したいと。

speakerdeck.com

 

Matz のキーノートが良かった話は会社のブログにも書いたので割愛。

夜のお楽しみ

オフィシャルパーティは海辺で BBQ。去年はホテルの大広間だったのにテイスト変わり過ぎw

沖縄のサンセットを見ながら、みんなで肉を焼いて酒を飲むのはエモい。風も強い。

地域 rb の人たちが集まるテーブルにお邪魔させてもらって、roppongi.rb が復活する話などを聞けた。少し前に、SmartBank さんの力で gotanda.rb も復活したし、roppongi と時を同じくして ginza.rb も復活するみたいで、地域コミュニティが盛り上がっているのはすごい良い。

 

2日目の夜はスポンサー各社が様々なドリンクアップを開催してくれており、路頭に迷うことなく Rubyist どうしワイワイできるのが嬉しい。SmartHR さんのドリンクアップに行かせてもらったのだけど、途中で沖縄民謡ライブが行われたりと、開催地沖縄を存分に感じられる飲み会だった。今年のドリンクアップは RubyKaigi 初参加枠を設けている企業が多くて、すごいいいなあと思った。二次会は自社開催のドリンクアップへ。

 

3日目の夜は mov さん主催で国際通りのれん街を貸し切ってのアフターパーティ。

この空間全部を Rubyist が埋め尽くしてるの半端ねぇ...。初っ端からいいペースでハブ酒を何杯かあおって気持ちよくスタート。

ハブ酒で乾杯

スナックスペースもあってカオス。

自由に席を立って移動しやすい仕様になっていてよかった。

 

からの RubyMusicMixin。

IVRy の barometrica さんでブチ上がり。

最高に盛り上がったまま力尽きて退散。

 

三日三晩(前日も合わせると4日間)セッションを聞いて飲んでを繰り返すのは相当な体力がいる。RubyKaigi を全力で楽しみきるには事前の身体作りも重要なのだ。

メシの記憶

ちるりの冷麺

まるたまの味噌汁定食

会場のお弁当

いちぎん食堂のゆし豆腐そば

浮島BASE のソーキそば

花笠食堂のなんとか定食

ジャッキーステーキハウスのステーキ

RubyKaigi を締めるステーキ。

サーターアンダギーを食べ忘れた気がする。

まとめ

RubyKaigi はやっぱりすごい。Ruby 大好きな人たちが1000人以上も集まって3日間、しかも夜通し盛り上がる。楽しくないわけがない。Ruby のコミュニティ力の高さを実感できる。そして(難しすぎる)セッションや他の Rubyist との交流で色々なモチベーションが高まってしまう。そして技術的な未熟さを痛感させられるという意味でもヤバいイベントである。

あと運営がすごい。これだけの巨大なイベントを大きな問題なく遂行できるのすごい。運営スタッフ、そしてスピーカーたちに感謝。


よもやま

帰りの飛行機でキングダムの最新刊でも読んで返るか〜と思って空港の本屋に行ったら...これが離島クオリティ。最後まで沖縄を感じることができたのであった。